論文 21
EDO-TTF (ethylenedioxy-tetrathiafulvale) の 振電相互作用定数(V)エネルギー勾配(g) における同位体効果電荷効果を、 「カチオンへの電子注入」および「中性分子からの電子除去」の場合について調べた。 全般的に、C=C 伸縮振動を有する振動モードが大きな V および g を有する。 中性分子からの電子除去の場合、46, 47, 48番目の3つの振動モードが大きな V と g を有する。 重水素化(d2)により V(46) は減少するが、V(47) は増加する。 カチオンへの電子注入の場合、42, 44, 45, 47, 48番目の5つの振動モードが大きな V と g を有する。 重水素化(d2)により V(45) と V(48) が増加するが V(47) は減少する。 振電相互作用密度(VCD)、領域的振電相互作用定数(RVCC)、原子振電相互作用定数(AVCC) を用いた解析により、重水素化に伴う振動ベクトルの変化が V の変化を引き起こすことを明らかにした。